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鳴り響く警報、ひしゃげた扉、そこに佇むのは一組の男女。 一人は神秘的な黄金の瞳と深緑の髪の美しい少女で、その柔らかな肢体を男物の白いシャツ1枚で隠していた。長く美しい脚は無防備な状態でさらされているが、本人は気にもしていないようだった。 一人は学生服に身を包んだ栗色の髪と翡翠の瞳を持つ少年で、普段は元気で明るい笑みを浮かべる愛らしい少年なのだが、今はまるで別人と言っていいほどの、鬼のような形相でその少女を睨みつけていた。 駆けつけてきた咲世子が二人に気づき警報を止めると、すぐに電話をかけた。内容から警備会社に問題がないことを告げているのだろう。このままでは警備員が飛んできてしまうから、有難い判断だった。 「お前、自分が何をしたのかわかっているのか？」 扉を破壊し、友人の部屋とはいえ押し入ったのだ。 軍に属している人間であっても、やっていいことではない。 いや、名誉であるスザクが、ブリタニア人の学生の部屋に押し入ったのだ。それだけで日の目を見ない人生を送る可能性だってある。 「君こそ、自分が何をしたのかわかっているのか？」 「少なくても、部屋に監視カメラを仕掛けたり、扉を破壊して室内に 押し入ったりはしていないな」 C.C.は呆れたように言ったが、スザクは頭を振った。 「そんな些細な事じゃない」 「どこが些細じゃないんだ？どれもこれも犯罪だろう」 「いいんだよ、僕は」 「何だそれは？ルルーシュの許可でもとったか？」 「取ってないけど大丈夫だよ」 「犯罪だろ」 「僕がいいって言っているんだからいいんだよ、しつこいな」 自己中心な俺ルールを発動させ、それを理解しろというスザクに、コイツ大丈夫かとC.C.は眉を寄せた。扉近くに居た咲世子はいつの間にか姿を消していて、今は二人きり。いざとなったらショックイメージを流すかと警戒していたのだが。 「大事なのは、君がルルーシュの服を着ていることだ！さっきまで着てたシャツもだ！着替えたその格好で、ベッドに潜って何をしようとしていた！！」 今話すのはそこなのか？と、一気に馬鹿らしくなって警戒をといた。 「・・・やることなど一つだろう、二度寝するつもりだったんだよ」 「・・・二度寝？わざわざ着替えて？」 「昨日から着てたシャツと下着だからな、着替えて何が悪い」 「・・・それはルルーシュの服だろ！パンツもだ！」 パンツという単語にものすごく力が込められていて、今にも殺さんばかりの視線まで向けられて、思わず乾いた笑いを上げてしまった。 「そうだな、下着も確かにルルーシュのものだ。私の下着はそこに脱いだものだけだし、服は洗ってしまって着るものがない」 脱ぎ捨てたパンツを指差すと、スザクは確認するよう一度見てすぐに視線をそらした。完全に興味のない顔をしている。おいお前、美女C.C.様の脱ぎたてほやほやのパンツを目にして興味ゼロとか正気か？ 美少女の私が脱いだものだぞ？？世の男達が喉から手が出るほど欲しがるだろう私の下着だぞ？ くっ、この男、幼名馴染み兄妹以外興味ゼロか？ まあいい、興味を持たれて襲われても困る。あいつの大事な友人らしいから、できれば手荒な真似はしたくない。 美少女のプライド的なものを傷つけられ、そんな自己弁解をしている間に、スザクはルルーシュのクローゼットを開けていた。迷うことのないその姿に、ああ、こいつ初犯じゃないなと確信した。 クローゼット内の衣類は当然ルルーシュのものだけで、女性のものなど何一つ出てこなかった。まあそうだろうな、女物の着替えは用意しているがこの部屋にはない。普段使っていない部屋に巧妙に隠されている。 「だからって、ルルーシュの許可無くルルーシュの服を！」 「いつものことだから、別に怒られないぞ」 この格好で出歩いたら怒られるけどな 怒るのはいいが、その握りしめてる黒い布、ルルーシュのパンツじゃないのか？ 「いつもの！？待って、そういえば何で君ここに居るの！？」 スザクの問にC.C.は眉を寄せた。 「・・・お前、カメラの映像を見たんだろう？いつから見てたんだ？」 「・・・録画はまだ見てないよ」 録画を確認する前に、C.C.のストリップが始まり、慌てて来たのだ。 「なるほど、私とルルーシュが同衾している場面はまだか」 「ど・・・！？そんなバカな！ルルーシュが女性とそんなこと！ルルーシュの体は綺麗なままなんだ！！」 「・・・」 綺麗な体ってなんだ、綺麗な体って。 あれか、処女願望とか言う奴か？ この場合は童貞願望か？ C.C.は無表情なままだが、ドン引きしていた。 |